東京・板橋区にある日本製鉄の鋼管工場跡地の入札には、物流施設系の投資家が群がった

「異常な価格だ」。物流施設デベロッパーの幹部は土地の入札結果を知って愕然とした。

その物件とは、日本製鉄が東京都板橋区内に保有する鋼管工場(約11万平方メートル)だ。生産拠点の再編に伴い、今年5月に閉鎖された。この跡地の動向が注目されていた。興味を示したのは物流施設を開発する投資家やデベロッパーだ。広大な面積に加えて、東京23区内という希少性の高い立地。不動産業界では「10年に一度の出物」とも評されていた。

その入札が9月に行われた。関係者によれば、デベロッパーや外資系ファンド、生命保険会社までが入り乱れ、総勢20社以上が応札。最高値は坪単価で250万円前後だったようだ。入札に参加した企業は「過熱状態だ」と話す。

同じく9月には、JFEグループが神奈川県内に保有する工業団地も入札にかけられた。記事執筆時点では最終的な落札者はまだ決まっていないが、同じく物流施設の開発を企図する企業が多数応札したようだ。

需要は底なし

「一人気を吐く」とはまさにこのことだろう。コロナ禍の不動産業界にあって、唯一活発な投資が行われているのが物流施設だ。「巣ごもり」に伴いEC(ネット通販)需要が拡大。荷物を保管・配送するために物流施設の引き合いが一層強まった。