新型コロナウイルスの襲来に伴うリモートワーク拡大で、オフィスのあり方を見直す企業が続出している。規模が小さく身軽なベンチャーならば環境の変化に柔軟に対応しやすいが、数多くの社員を抱える大手企業が踏み切るには時間も費用もかかる。どのような形で新しいオフィス像を描くのか。注目企業の動きを追った。

パソナ

本社機能を担う社員を兵庫県淡路島のオフィスに移す──。人材サービス大手のパソナグループは、人事や経営企画などに携わっている社員1800人のうち1200人を2024年5月末までに順次、移動させる予定だ。9月にこのニュースが流れると、「社員は地方で生活基盤を確立できるのか」など世間は大きく反応した。

パソナグループの淡路島オフィス。スペースにも余裕(写真:パソナグループ)

南部靖之代表は11年の東日本大震災の時点から東京一極集中への懸念を抱いていた。コロナの感染拡大をきっかけに、「BCP(事業継続計画)やマネジメント、ガバナンスの観点で考えれば、3密の問題も含めリスク分散を図るべきだ」(南部代表)と決断した。

代表はすでに淡路島を拠点にし、役員会も同地で開催している。管理職を除き希望しない社員は移動を拒めるが、豊かな自然環境や子育て面などを魅力に感じて「若い社員を中心に希望する社員は多い」(南部代表)という。