「DCM・島忠」連合の思惑 カインズを抜いてトップに

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売上高は約5800億円。ホームセンター業界でなぜM&Aが相次ぐのか。

「対等の精神で経営統合する」と語った島忠の岡野恭明社長(左)とDCMHDの石黒靖規社長(右)

活況に沸くホームセンター業界で、ついに大手が動いた。

業界2位のDCMホールディングス(HD)は10月2日、業界7位の島忠を完全子会社化すると発表した。1株当たり4200円で島忠に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化する。

今回の買収では最大で1630億円を投じる。安くはないようだが、島忠は利益剰余金1500億円超の実質無借金企業だ。純資産は約1800億円のため、負ののれんが200億円近く発生する。買い付け価格の4200円は、TOBに関する報道の出る直前の株価(9月18日終値)に45.93%のプレミアムをつけているが、かなりお買い得だといえるだろう。

両社の直近売上高を単純合算すると5836億円となり、業界首位のカインズ(売上高4410億円)を大きく引き離す。

業界で相次ぐM&A

「今、ホームセンター業界はいい方向に動いているが、中長期的には他業界との競争も厳しくなってくる」

会見を開いたDCMHDの石黒靖規社長は危機感をあらわにする。コロナ禍の巣ごもり需要で既存店売上高は増えているが、ホームセンターの市場規模は20年前から4兆円前後で横ばいのまま。その一方で、店舗数は増え続けている。

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