首都圏の人たちが「ムサコ」と聞いて思い浮かべるのは、神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉だろう。昨年10月の台風で、タワーマンションが浸水被害を受け、大々的に報道された印象が強く残っているが、近年、このエリアにはタワーマンションが林立し、不動産価格が急上昇していた。

実は、ほかにも「ムサコ」と呼ばれる街がある。その1つが、東京都品川区の武蔵小山だ。武蔵小山は東急目黒線で目黒駅から2つ目の駅の名で、地名としては存在しない。古くから商人の街として栄え、駅周辺には、武蔵小山商店街パルム、一番通り商栄会、親友会通り商店街、目黒平和通り商店街などの商店街がある。パルムは全長800メートルにも及ぶ長大なアーケード街に約250店舗が集結し、中原街道の平塚橋付近まで続く。

平塚橋を中心に東急目黒線と東急池上線に挟まれた小山、荏原、平塚は、住環境と商業が融合したエリアだ。目黒区に接し、下町商店街の活気を持ちながらも閑静な住宅地の趣を残す武蔵小山は、肩ひじを張らずに住める街として知られてきた。街中でしばしば高校生を見かけるのは、進学指導特別推進校に指定される都立小山台高校があるためだ。