10月、菅首相は来日したポンペオ米国務長官と会談。ポンぺオ氏の対中発言は厳しさを増している(ロイター/アフロ)

日本と東アジアを専門とする米ワシントンの政策担当者は、菅義偉政権の誕生に興奮している。日本の首相交代を分析する機会がおよそ8年ぶりに巡ってきたからだ。「菅首相は変化よりも継続を選ぶ」。これが米政界の共通認識とはいえ、政権トップと側近のメンツが入れ替わるとなれば、日米同盟への影響は気になるところだ。米政府は多くの変化を望んでいるわけではないが、重視するポイントがいくつかある。

最も重要な点は、中国に対抗する新たな安全保障の枠組みだ。ただ、その扱いは複雑さを増している。中国を大きな脅威と見なす点でトランプ政権と安倍晋三政権の足並みはそろっていたが、それでもトランプ氏の対中政策は軋轢の原因となってきた。

例えば半導体の中国向け輸出が厳しい規制の対象となり、日本企業がとばっちりを受けている。キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)は上場延期を余儀なくされ、ソニーも中国・華為技術(ファーウェイ)に対する制裁のあおりでセンサー販売急落の危機に瀕している。