米大統領選挙の投票日が11月3日に迫る中、民主党候補のバイデン前副大統領は政権交代を想定して閣僚候補の絞り込みを進めている。こうした人選では伝統的に国務、国防、財務の各長官ポストが最重要視されてきた。だが今は状況が違う。トランプ政権の4年間で、国家の安全を守る情報機関がかつてないほど堕落させられてしまったからだ。バイデン氏はまずスパイ組織の長(スパイマスター)に誰を据えるかを考えなくてはならない。

新たに国家情報長官となる者はトランプ政権が成した害悪を取り除かなくてはならないが、これは簡単な仕事ではない。

トランプ氏から執拗な攻撃にさらされたことで情報機関のスタッフが萎縮し、職務の遂行に悪影響が出ている。トランプ氏は大統領就任直後から情報機関をこき下ろしてきた。中でも同氏の逆鱗に触れたのが、2016年の大統領選でトランプ氏に有利となるようロシアが介入した、という分析である。このため、トランプ氏に対する情報機関のブリーフィングでは、この種の情報が持ち出されることはなくなった。が、ロシアの介入は今も現在進行形で続いている。