ゼネコン界に「異変あり」 下請けから上がる悲鳴

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代金減額に苦しむ下請けや地方案件を取りにいく大手ゼネコン。いったい何が起きているのか。

本誌:梅咲恵司
写真:都内では現在、超高層オフィスビルなどの建設工事が相次いでいる

「予算がねえんだよ」

新型コロナウイルスが猛威を振るった今春以降、多くの下請け業者はゼネコン社員からこのように工事代金の値下げを迫られる場面が増えた。

「値下げ圧力はつねにあるが、コロナ禍で一層厳しくなった。仕事のためには『うちはその金額で受けます』と、ゼネコンの言いなりにならざるをえない事業者があることは確か」。都内で鉄筋会社を経営する社長はこう吐露する。

全国に約46万社もの業者がひしめくゼネコン・建設業界は、4〜5層もの重層下請け構造になっている。鹿島や大林組といったスーパーゼネコン5社を頂点に、全国展開する大手ゼネコンおよそ50社や中小規模の地方ゼネコン約2万社がその下に連なる。

下請けとして内装や電気工事などを手がける専門業者があり、さらにその下請けとして実際の設備工事を施工する協力業者がいる。零細規模の事業者が各都道府県に散らばっている。

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広く散在する建設業者が約60兆円という公共工事や民間工事の国内建設需要を食い合っている。全体のパイ(工事需要)が減れば、限られたパイをめぐって受注競争は激しくなる。ゼネコンは利益を確保するために下請け業者への工事代金の値下げ姿勢を強める。

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