菅義偉政権が推進するデジタル改革は、そのわかりやすさから国民受けがいい。だがそれゆえに困難な部分は避ける一面的な改革に終わる可能性もある。

例えばマイナンバー改革だ。現在、官邸に設けられた「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」(以下、WG)では改善に向けた工程表の議論が進む。ここでの話題は主に国・地方のデジタル基盤構築や、生体認証導入などマイナンバーカードの機能改善だ。これが実現すると、どうなるか。

オンライン申請の使い勝手が悪かったため、マイナンバー改善への国民の関心を高めるきっかけとなった1人10万円の特別定額給付金を例に考えてみよう。機能改善後は、暗証番号も要らずスマートフォンで簡単に申請を行えることになるだろう。だが、改善はそこまでだ。依然として入金先の銀行口座情報を入力する必要があり、国民一斉の口座存否確認作業を考慮すると、海外並みの申請後即日や数日内での入金は困難だろう。