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自動車版の「鴻海」が台頭 揺らぐメーカーの存在意義

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「御社のEV造ります」──。自動車版製造受託サービスが中国で始まる。

マグナは昨年、グラーツ工場でEVを含む約16万台の車両を生産した

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この秋、中国江蘇省である自動車プロジェクトが本格始動する。北京汽車集団傘下の電動車メーカー、北汽新能源汽車(BJEV)と、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルによる合弁工場(生産能力は年間18万台)の稼働だ。

この合弁工場はEV専用で、まずはBJEVが発売予定の高級SUV(スポーツ用多目的車)を生産する。すでに予約が開始され、公式サイトでは「マグナとの協力により並外れた製造品質を実現」との言葉が躍る。

国有企業である北京汽車集団は新エネルギー車の普及を急ぐ中国政府の方針に従い、EVなど電動車の拡販を進めている。2019年のEV販売台数は中国内で首位の15万台だった。今後は高級EVの市場が拡大すると考え、18年にマグナと提携。専用プラットホーム(車台)の共同開発を進めるとともに、EV車両の組み立て製造でもタッグを組んだのだ。

北京汽車集団と開催した共同式典の様子

トヨタも認めた技術力

北京汽車が期待するのは、マグナの「車を造る技術」だ。マグナはグループでほぼすべての自動車部品を手がけ、子会社のマグナ・シュタイヤー(MS)を通じて完成車の製造受託ビジネスも展開している。MSは昨年、本拠地オーストリアのグラーツ工場において、4メーカーの6車種、合わせて15.8万台の車両を生産した。

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