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電動化では全方位戦略を維持、我慢を続ける巨象トヨタ Part2 トヨタと日本勢は生き残れるか

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トヨタにはガソリン車もHVもFCVもある。だからこそ、今後の舵取りは難しい。

2020年末に発売されるFCV「ミライ」の新型車。航続距離は3割伸びた

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週刊東洋経済 2020年10/10号
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時価総額では米テスラに抜かれたトヨタ自動車だが、「電動車」の販売台数で比較すれば、同社の圧倒的な強さが見えてくる。EV専業のテスラの2019年販売実績は37万台弱。これに対して、トヨタが昨年販売した電動車は192万台と5倍以上。そのほとんどはエンジンと駆動モーターを両方搭載したハイブリッド車(HV)だ。

株式市場でテスラが一躍脚光を浴びたことで、EVが電動車の主役になった印象がある。だが、冷静に見ればEVはまだ世界の新車販売台数のわずか2%にすぎず、電動車としてはHV(市場構成比は5%)のほうが台数が多い。

しかも、少なくとも今後10年間という期間で見れば、電動車のメインストリームを担うのはHVだ。EVは充電インフラの整備や航続距離、さらには車両価格の高さなどがネックとなり、本格的な普及にはまだ時間がかかる。

その点、エンジンのパワーを発電にも活用するHVは充電インフラを必要とせず、EVより車両価格が安価。米系コンサルティング会社アーサー・ディ・リトル・ジャパンの予測では、全新車市場に占めるHV構成比が30年には36%にまで高まる見込み。

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