米カリフォルニア州にある車体工場。製造はほぼ自動化されている

今やEVを代表する存在となった米テスラの乗用車「モデル3」。その設計思想や機能には、既存の自動車メーカーの車と比べてどのような独自性があるのだろうか。自動車業界の調査を行うマークラインズの協力を得て、同社が提携する米調査会社のムンロ&アソシエイツが実施した、モデル3の分解調査データを基にひもといていこう。

モデル3を構成する部品の中でも、独自性が際立っているのが、自動車の頭脳に当たるECU(電子制御ユニット)だ。「ECUの数は車1台当たり60個以上搭載されているのが一般的だが、モデル3は数個しかない」。日産自動車の技術者として約40年の経験を持つマークラインズの吉川正敏・執行役員は驚きを隠さない。

テスラ車に限らず、近年では既存メーカーの車にもECUが搭載されている。ECUは、各種のセンサーで取得したデータを基に計算、判断した結果を車の作動部品に送信する。そうして、ハンドルの操舵を補助するパワーステアリングやエンジン、エアコンなどをコントロールする役目を担う。

既存の車では、作動させる部品や機能ごとに1つ、ECUが搭載されており、いわば「分散型」の制御を実施している。さらに、ECUの設計はデンソーや独ボッシュなどの大手サプライヤーに任せ、そのプログラムは自動車メーカーにとってもブラックボックスだ。