(G-item_PIXTA)

お店を開けて、「当店の商品はなるべく使わないでください」と店頭で叫ぶ商店主はいない。それでは商売は成り立たない。

そんな「商売」を強いられたのが公共交通である。新型コロナウイルスの感染が広がる中、政府は移動自粛を呼びかけ、交通事業者は駅や車内でこれをアナウンスした。一方、事業者自身は、人々の生活を支えるため、ほぼ平常どおりの運行サービスを求められた。

けれども日本の場合、公共交通の運営はあくまで「商売」である。社会に必要なサービスを提供するという公益性が求められながら、収支のやり繰りもしなければならない。

これに対し、欧米の先進国ではこうした問題は発生しない。欧州でも民間事業者が参入しているものの、日常生活の足となる地域公共交通は、都市間交通とは区別されたうえで、公的にサービスされるものという位置づけになっている。事業者は公共サービス義務(PSO:Public Service Obligation)を担い、そのために公的な資金が提供される。

欧米では感染拡大直後に公共交通に対して即座に支援が行われた。4月初めの時点で、米連邦交通省は、250億ドル(約2兆7000億円)の支援を発表。独連邦政府は、6月初めの総額1300億ユーロ(約16兆円)経済対策のうち、ドイツ鉄道に50億ユーロ(約6000億円)、地域公共交通に25億ユーロ(約3000億円)を充てると発表した。