建設中の武雄温泉駅新幹線ホーム(6月、佐賀県武雄市)(共同通信社)

2022年度の開業に向け、工事が佳境に入っている九州新幹線西九州ルート、通称「長崎新幹線」。武雄温泉─長崎間約66キロメートルの建設が着々と進展する一方、迷走しているのが新鳥栖─武雄温泉間約51キロメートルの整備だ。同区間は在来線を活用し、線路幅の違う新幹線に乗り入れ可能な「フリーゲージトレイン」(FGT)を投入して直通運転する計画だったが、開発は頓挫。国は同区間について「フル規格」での整備を目指し、長崎県も要望するが、コストに対して時間短縮などのメリットが乏しい佐賀県は反対の姿勢を崩さない。着地点は見いだせるのか。

九州新幹線西九州ルートは、博多─長崎間約143キロメートルを結ぶ路線。同線は武雄温泉─長崎間のみフル規格の新線を建設し、博多─新鳥栖間約26キロメートルはすでに運行している九州新幹線(鹿児島ルート)、新鳥栖─武雄温泉間は在来線に乗り入れ、新幹線と在来線の双方を走れるFGTを導入して直通運転する計画だった。

だが、FGTは試験走行中にトラブルが続発。開業後の運行を担うJR九州は17年夏、FGTによる西九州ルートの運営は困難と表明した。翌18年夏には与党の西九州ルートに関する検討委員会もFGTの導入を断念。宙に浮いた新鳥栖─武雄温泉間の整備方法について、フル規格と、在来線の線路幅を新幹線規格に広げる「ミニ新幹線」方式を比較検討した。