ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

7年9カ月に及んだ歴代最長政権が終わり、新たに菅義偉首相が誕生した。安倍晋三前首相のアベノミクスは、「大胆な金融緩和政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略」という3本の矢を掲げたが、その中で最も成功したのは第1の矢・大胆な金融緩和政策であった。

冷静に考えると、独立しているはずの中央銀行の政策が、政権の最も成功した政策であるというのも妙な話だが、最初の2年間で大幅な円安を実現したことが、日本経済にプラスの影響を与えたのは確かだろう。足元でも円の実質実効レートは過去30年間の平均に対して20%程度割安なままだ。

最初の2年間の後も大幅な円安水準を維持できた要因の1つとして、安倍前首相が築いたトランプ米大統領との友好関係も大きかったと考えられる。