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菅首相の手本は「小泉流」の改革路線 内閣が「民意との結託」に成功するか

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外交や安全保障では安倍路線継承だが、経済政策を含む内政では独自改革路線への挑戦が本心だ。

「地味内閣」をあえて選択したのも、長期本格政権にらみの布石か(毎日新聞社/アフロ)

菅義偉首相に3カ月前の6月21日、インタビューしたとき、「官房長官という立場を離れて、政治リーダーとして、日本の将来像、その実現のためにどんなシナリオを」と質問した。菅氏は「高校まで秋田県で育って、ゼロから政治家になった。日本は地方も都会もきちんと連携して発展していかなければ。それが私の原点。地方での消費を拡大するための切り札の1つが、私のライフワークの農業改革。そこで大事なのが役所の縦割りの打破」と主張した。

安倍晋三前首相の突然の辞意表明で急浮上し、自民党総裁と政権の座を手にした菅首相は、総裁選出馬の際、真っ先に「安倍路線継承」を唱えた。退陣する安倍氏も含め、党内の期待がその点にあると認識し、勝利の方程式と見定めた遠謀深慮だったのは疑いない。

だが、9月12日の総裁選3候補討論会では「自助・共助・公助」「縦割り行政、前例主義、既得権益の打破」「規制緩和」を明言し、独自路線を打ち出した。外交や安全保障では安倍路線継承が基軸だが、経済政策を含む内政の全分野では、「霞が関の官僚機構との連携・協調」重視だった安倍路線ではなく、菅流の独自路線への挑戦が本心とみて間違いない。

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