かとう・けいた 1958年生まれ。80年京都大学工学部卒業、積水化学工業入社。高機能プラスチックスカンパニープレジデントなどを経て2019年代表取締役専務執行役員ESG経営推進部担当、20年3月から現職。
コロナ禍が自動車をはじめとする製造業を直撃し、その余波は素材を供給する化学メーカーにも及んでいる。その中で、自動車向け中間膜で世界トップシェアの積水化学工業は、付加価値の高い製品の拡販で生き残りを図ろうとしている。加藤敬太社長に、その道筋を聞いた。

──長年率いてきたプラスチック部門が打撃を受けています。

自動車向けは影響が大きいが、新型コロナが収束した中国での生産・販売は戻っている。ただ、米中貿易摩擦で中国がどう出てくるか。電気自動車(EV)に一気に舵を切るかもしれない。そうしたことへの仕込み、備えは進めている。

例えば、世界で初めて開発したヘッドアップディスプレー用の「くさび形中間膜」は、市場が縮小しても採用車種が増えている。こうした製品がわれわれの今後の生きる方向を示唆している。

エレクトロニクスでは、ここ数年スマホ向け液晶パネル一本からポートフォリオの強化を図っていて、5G基地局向けの放熱材やEV向けのバッテリー放熱グリスなどが順調に伸びている。

──コロナ禍でも5月発表の中期経営計画ではM&A投資枠を3000億円として積極化しています。