菅義偉新首相は、就任に先立って実施された自由民主党総裁選挙に際して「デジタル庁」の創設、地方銀行の再編などの政策プランを披露した。その一方で、社会保障や外交・防衛などとともに国政の根幹をなしている環境・エネルギー政策については、ほとんど言及することがなかった。

しかし、地球温暖化が危機的な段階に到達しつつある現在、環境・エネルギー分野における取り組み強化は避けて通れない課題だ。

欧州連合(EU)はコロナ禍からの経済復興策の主軸に、脱炭素社会へのシフトを据えており、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス削減の取り組みが不十分な国から輸入する製品を対象にした「炭素国境調整メカニズム」(国境炭素税)導入の検討を進めている。米国の大統領選挙戦では、民主党のバイデン候補が、再生可能エネルギーの導入拡大に巨額の予算を投じ、2035年までに発電分野からのCO2排出をゼロにするとの公約を発表している。