キオクシアが株式公開 2兆円上場に潜む「死角」

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半導体メモリー大手・キオクシアの上場が間近に迫る。課題は何か。

2019年に竣工したキオクシアの北上工場。同社にとって第2の生産拠点だ

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が10月6日、東京証券取引所に上場する。

想定時価総額は約2兆1300億円とみられ、かつての親会社である東芝の時価総額(9月8日時点で約1兆3741億円)を上回る。公募と売り出しの合計額は約3800億円。2020年の新規株式公開(IPO)としては最大規模になる。

今回は、現在キオクシアの株式の56.2%を握る米国の投資ファンド、ベインキャピタルなどのほか、40.6%を持つ東芝、3.1%のHOYAが保有株の一部を売却する。

キオクシアは経営危機に陥った東芝の半導体メモリー事業を引き継ぐ形で17年に発足。18年6月に東芝がベインなどに約2兆円で売却した。これは東芝が経営危機から脱する決め手の1つとなった。このときに当時の成毛康雄社長(元東芝副社長)が「3年以内のIPOを目指す」と述べ、それを守る形でのIPOとなった。

米調査会社ガートナーによると、19年の半導体メーカー売上高ではキオクシアは世界9位。主力製品はNAND型フラッシュメモリーと呼ばれるものだ。USBメモリーやSDカードなどのほか、スマートフォンやタブレットにも使われる。

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