米国は身近な国である一方、案外知らないことも多いのではないだろうか。そんな米国について知る足がかりとなるのは、劇映画やドキュメンタリーなどの映像作品だ。
憲法によって表現の自由や報道の自由が保障されている米国では、自国の暗部にもしっかりと向き合った骨太の作品が多い。ここでは「人種・人権」「政治・経済」などいくつかのテーマに分けて、そうした社会問題を描いた映画やドキュメンタリーを紹介する。
ネットフリックス、フールー、アマゾンプライムなどの動画配信サービスで見られるものか、DVDやブルーレイが発売されている作品が中心だが、劇場公開中の作品も含めている。
なお選定本数は米国の独立記念日7月4日にちなんで、74本としてみた。“米国を知る”きっかけにしてもらいたい。
(注)情報は8月31日時点のもの。作品の公開年は米国でのもの
人種・人権問題がわかる18本
多くの人種が集まる米国では人種・人権がテーマになることが多い。映画作品も同様だ。
1.『13th─憲法修正第13条─』
人種差別がもたらす黒人の大量投獄問題を解き明かすドキュメンタリー。憲法修正第13条は奴隷制廃止条項だが、犯罪者は例外とされている。

2. 『私はあなたのニグロではない』
1960年代公民権運動から現在までの、米国人種差別と暗殺の歴史に迫るドキュメンタリー。

3.『フルートベール駅で』
2009年元旦、白人警官に射殺された22歳の青年オスカー・グラントの悲劇を描くドラマ。

4.『ブラック・クランズマン』
黒人刑事が白人至上主義団体KKKに潜入し悪事を暴くさまを、コミカルに描いた作品。

5.『SKIN/スキン』
実話を基に映画化したドラマで、レイシストとして育てられた男の葛藤と贖罪を描き出す。


格差社会が見える5本
貧富の差が激しいとされる米国。そうした社会を映し出した作品の数々。