数々のスキャンダルにまみれながらも無傷だった「テフロン大統領」ことトランプ大統領が、コロナ禍に泣いている。

米ギャラップ社によれば、8月の時点で米国の現状に満足している国民は13%。1992年に1期で敗れ、史上最低を記録した故ブッシュ元大統領の22%を下回る。米国が直面している最重要課題を新型コロナウイルス・病気と考える人が35%と最多で、政府・指導力不足が22%と続く。

「民主党は、トランプたたきと無党派層獲得の格好の材料を手にした」と、米ロヨラ・メリーマウント大学・グローバル政策研究所所長で政治学者のマイケル・ジェノビース教授は話す。

ロサンゼルスのロヨラ・メリーマウント大学・グローバル政策研究所所長、マイケル・ジェノビース教授

『How Trump Governs』(『トランプはどのように統治しているのか』未邦訳)の著者でもある同氏曰(いわ)く、「政府は一貫したコロナ対策を打ち出さず、州任せにし、責任逃れを図っている」。

「パンデミックは大統領選の最も重要な要素だ」と語るのは、米世論調査会社、ランガーリサーチ・アソシエイツのゲイリー・ランガー社長だ。同氏は約20年間、米ABCニュース世論調査部部長を務め、10年前に独立。以来、ABCニュース・ワシントン・ポスト紙共同世論調査など、種々の調査を手がけている。

ニューヨークの世論調査会社社長、ゲイリー・ランガー氏

ランガー氏によると、米大統領選の投票傾向を決める3大柱は党派とイデオロギー、人種だが、今年は2要素が加わった。パンデミックの捉え方と経済観だ。景気を悲観する人ほど、トランプに投票しそうもない。感染を恐れ、経済状況も悪いと考える人は米国人の3分の2に上る。「大統領にはダブルパンチだ」(同社長)。

昨年来、すべての世論調査でバイデン前副大統領がトランプ大統領を一貫してリードしている。一方、トランプ氏の支持者は極めて忠実で、「世間の批判を意に介さない」(ジェノビース教授)。

カギを握る無党派層