失業率は4カ月連続で10%超え。かつての消費好き米国人も倹約せざるをえない(ロイター/アフロ)
週刊東洋経済 2020年9/19号
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コロナ禍の下での実体経済の悪化とは乖離する形で株高が続いていたが、9月に入り不安定な動きになっている。株価にとっての好材料出尽くしによる利益確定売り、ポジション調整といえる。

新型コロナウイルス流行で、10年8カ月続いた米国の景気拡張は終わった。そのショックでNYダウ平均株価は2月20日の2万8133ドルから3月23日の1万8591ドルまで約34%下落。だが、FRB(米連邦準備制度理事会)が緊急のFOMC(米連邦公開市場委員会)を繰り返して、QE(量的緩和)の再開、さらに社債購入による信用リスクの緩和に乗り出したことで、反転した。

実質金利マイナスの効果

日米欧の長期金利は、米国が0.5~0.7%、日本がマイナス0.05~プラス0.05%、ドイツがマイナス0.3~マイナス0.5%という姿で、物価の影響を除いた実質金利はそろってマイナスだ。日米欧とも金融政策・財政政策一体となって、ジャブジャブに資金を供給し、企業の資金繰りを支援して倒産を防いでいる。一方、新型コロナウイルスの終息が見えず、消費や実物投資は冷え込んでいるため、余ったおカネは金融資産に回るしかなく、株、債券、金価格の高騰が見られた。

実体経済を見てみよう。20年4~6月期は新型コロナによる経済活動停止の時期だ。実質GDP(国内総生産)の落ち込みは、そのまま新型コロナの被害、死者が多く、厳しいロックダウン(都市封鎖)に踏み切らざるをえなかった国ほど大きくなった。米国は前期比マイナス9.5%(年率でマイナス32.9%)で欧州ほどではないが、緊急事態宣言による自粛で済んだ日本よりは落ち込みが大きかった。