Kent E. Calder プリンストン大学教授や駐日米国大使特別補佐官を歴任。日本研究の権威でユーラシアの地政学にも詳しい。近著に『スーパー大陸』(潮出版社)。(撮影:尾形文繁)

米国は「新冷戦」にどこまで本気なのか。米国の東アジア外交に精通するカルダー教授に聞いた。

ポンぺオ国務長官の7月23日の演説は中国に厳しい内容だったが、選挙用のレトリックだと思う。米中の経済をデカップリングするといっても、企業は自社の競争力を損なうような選択はしない。米政府が自国の企業に中国で生産させないといった、経済的に不合理な行為を本当に強いるかは疑問だ。

AI(人工知能)、5G(第5世代移動体通信)などの技術では民間用と軍事用の垣根がなくなってきており、このことが米中関係の緊張を高めているのは確かだ。また医療用物資などの分野では中国への依存度を下げねばならないが、あまり極端なことはできないだろう。

バイデン氏は中国バッシングにそう積極的ではない。米国の同盟国の多くも、米国が対中強硬外交を続けることを望んでいないと思う。