その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い(ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー 著/古屋美登里 訳/新潮社/2150円+税/408ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] Jodi Kantor 米ニューヨーク・タイムズ紙の調査報道記者。職場問題、とくに女性の待遇に重点を置く。2度の大統領選も取材。Megan Twohey同紙の調査報道記者。女性や子供の問題に焦点を当て、ロイターニュースの記者時代、ピュリツァー賞の最終候補者に。

米国の大物映画プロデューサーによる女優や自社従業員への数々の性的虐待が明るみに出た、ハーヴェイ・ワインスタイン事件。その衝撃から#MeToo運動に火がつき、世界中へ拡大していったことは記憶に新しい。

まさにダムが決壊するような事態となったわけだが、起点はニューヨーク・タイムズの調査報道による約3300語の記事であった。

ひと口に調査報道というが、調査することも報道することも、全体からすればパーツの1つにすぎない。調査に至るまでの情報提供者の説得、被害者を公表するうえでの情報戦略、取材プロセスを公平なものにするための加害者側とのやり取り、そして報道後の協力者のケア。本書はこの「情報戦争」の全容を、余すところなく収めた1冊である。