(CORA/PIXTA)
週刊東洋経済 2020年9/12号
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毎週月曜日、中小食品企業の再生を手がけるヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久代表は、前の週に持ち込まれたM&A候補リストに目を通す。

その数、直接吉村氏の目に触れるもので年間150ほど。事前に部下がふるい落とした案件を含めると、年間数百に及ぶ。

ここ10年で、ヨシムラ・フードは20社を買収。多くが地方の後継者不在に悩む中小企業で、買収後、赤字続きの企業をあっという間に黒字転換させた実績もある。

こうした買収意欲が旺盛な企業のことを、M&A業界では「ストロングバイヤー」と呼ぶ。案件を持ち込んでいるのは、会計士や税理士、そして仲介会社たちだ。

急拡大のM&A仲介会社

1990年ごろまで、M&A業界の主役といえば、大手銀行や証券会社だった。上場企業同士のM&Aや、海外企業を対象にしたクロスボーダー型M&Aの助言ができるのは大手金融機関だけだったからだ。