アベノミクスに明確な政策効果はなかった。雇用を増やしたとされるが、これは世界経済が長期的に回復したことが大きい。それによって円安株高が実現して相乗効果もあった。日本の経済政策が国内経済を大きく押し上げる効果は見られなかった。世界経済の回復が長期にわたったことが長期政権を生んだ。

アベノミクスの3本の矢のうち、1番目の金融政策と2番目の財政政策は弊害が大きかった。3番目の成長戦略は本来やるべきことだったが、効果を出せなかった。

アベノミクスの間違いは、第1の矢である金融政策の主な目的を「デフレ脱却」に据えたことだ。真正のデフレであればそれは確かに大きな問題だが、リーマンショック後の日本の物価下落は年率0.2〜0.3%とわずか。統計の歪みを考慮すると、物価の変動はゼロというのが実態だ。