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巨大な独裁国と世界はどのように付き合うべきか 西側諸国の民主主義も危険な状態に

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写真は中国軍空母。大連で昨年11月撮影(2020年 ロイター/China Stringer Network)

私は幸運な世代に属している。7000万~8500万人が亡くなった戦争が収束へと向かう中、1944年にイギリスに生まれた私は、爆撃にあったこともなければ、戦場で戦うようなこともなかった。

私は平和な時期のイギリスと欧州大陸で育ったことから、空前の国際協力によりもたされた経済的利益を享受できた。西側諸国は衝突なしにソ連の軍事的脅威を撃退し、ソ連に支配された東ヨーロッパを解放し、支配下の国が自由な大陸に仲間入りするように導いた。

アメリカのソフトパワー

とりわけ、ヨーロッパをはじめとする世界の多くの地域は、経済・軍事大国であるアメリカのリーダーシップの恩恵を受けた。そしてアメリカのハードパワーよりも重要だったのは、アメリカが活用し、具現化し、輸出したアイデアのソフトパワーだ。アメリカは決して完璧ではなく、過ちも犯した。しかし全体的には、寛大さの面で多大なる模範を示し、秩序だった自由には無限の可能性があることを示した。

アメリカのシステムは多元的で、民主的で、法に拘束されるものであった。アレクシ・ド・トクヴィルが偉大なる著書「アメリカの民主政治」で指摘したように、民意は憲法によるチェックの、また民衆の行動と態度の制約を受けるものであった。

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