輪島市は石川県能登半島の北西部にある面積426.32平方キロメートル、人口2万5000人の街である。輪島は古くから港町として栄えてきた。室町時代末期には「三津七湊(さんしんしちそう)」の一角を占める重要港の1つ「親の湊(みなと)」と位置づけられ、江戸〜明治時代には北前船の寄港地、海上交通の要所とされた。また、門前町としての顔も持ち、中世には曹洞宗大本山總持寺を中心として大いににぎわった。

だが、時代が進み陸上交通が中心になるにつれ、半島北部、奥能登に位置しアクセスしづらい輪島の街は、発展から取り残されていく。能登半島には海抜200〜500メートルの丘陵や山地が多く、海岸線は複雑で岬や断崖が続く。鉄道や道路の整備も遅れた。

2001年3月、輪島に衝撃が走った。「のと鉄道七尾線」のうち、穴水以北、輪島までが廃線になり、街を走る唯一の鉄道が失われてしまったのだ。この後、街が新たに得たのが空の玄関口だった。03年7月、輪島市、能登町、穴水町にまたがるエリアに能登空港、愛称「のと里山空港」が開港する。