ロシアが対日政策について錯綜したシグナルを送っている。8月9日にロシアのラブロフ外相が奇妙な声明を発表した。〈ロシア政府は、原爆が広島に投下されて75年となる「原爆の日」にあわせて声明を発表して、アメリカを非難しました。一方、ソビエトが当時有効だった条約を無視して対日参戦したことについては、中国と朝鮮を解放したと正当化しました。/ロシアのラブロフ外相は6日、広島に原爆が投下された「原爆の日」にあわせて声明を発表し、「無実の民間人の痛ましい死に、今も地球上の多くの人々が心を痛めている」と指摘しました。/そのうえで「原爆投下は武力の誇示であり、民間人に対する核兵器の軍事実験だった。アメリカはこのような大量破壊兵器を使用した最初の、そして唯一の国だ」とアメリカを非難しました。/その一方、第2次世界大戦末期の1945年8月9日にソビエトが、当時有効だった日ソ中立条約を無視して対日参戦し、その5日後の8月14日に日本がポツダム宣言を受諾したあとも攻撃を続けたことについては、「中国と朝鮮を解放し、日本から軍事作戦を継続する意欲を奪った」と正当化しました〉(8月6日付「NHK NEWS WEB」)。

ロシア外務省には優れた日本専門家が多数いる。米国を非難する目的で「原爆の日」を利用しても、日本国民の反発を買うだけであることはわかるはずだ。そもそも45年8月9日当時、日ソ中立条約が有効であったにもかかわらずソ連が対日参戦したのは、論争の余地がない歴史的事実だ。