自身の健康状態について記者団の質問に答える安倍首相、8月24日午前にも病院を再訪した(毎日新聞社/アフロ)

それは安倍晋三首相が8月15日の全国戦没者追悼式で式辞を述べた前日のことであった。テレビ東京のニュース番組でリポートした内閣記者会の女性記者が「安倍首相に異変を感じさせるシーンがありました」と述べ、その際に流れた映像に筆者は驚いたのだ。首相官邸正面から入った安倍氏が5階執務室に向かうエレベーターまでの、7月15日と8月12日のシーンを並べて紹介したものだった。後者の映像は、疲労困憊(こんぱい)の極みといった表情をアップで映し出したうえに、その足取りの重さを強く印象づけるものであった。

知己のベテラン政治記者に尋ねたら、番記者は安倍氏が入邸してからエレベーターにたどり着くまでの歩数を数えたという。8月12日の歩幅は小さく、通常より4歩多かったので、足取りが重い印象を与えたのだという。得心した。

その3日後の17日午前、安倍氏は慶応大学病院に「日帰り検査入院」した。病院滞在が7時間半と異常に長かったことが揣摩(しま)臆測を呼んだ。筆者が得た情報によると、「6月13日に受診した人間ドックの追加検査」(首相秘書官の説明)ではなく、画像診断、内視鏡および超音波検査を含む「生体検査」が行われたのは確実であり、安倍氏の病状は重いというのだ。

こうした中で永田町では現在、安倍氏の去就についての噂が駆け巡り、さまざまな「安倍氏退陣シナリオ」が取り沙汰されている。