写真はイメージです(AnnaStills/PIXTA)

科学的で正確ながん医療のアウトカム(質)について国際比較することには限界がある。質の定義やデータをどれだけ加工できるかなどの問題があるからだ。

ただ、自らもがん患者(大腸がんステージ3b)になり、日本で手術を、米国で化学療法を受けた個人的な見解としては、日本のトップクラスの医療機関が提供しているがん医療の質は、米国のトップクラスの病院と比較して遜色ない。むしろ、消化器外科の分野では日本の外科医のほうがより器用で、注意深く慎重であり、欧米諸国よりも秀でている。

しかし、がん医療だけではなく、日本の医療全般に1つ大きな問題が存在する。最新のビッグデータを用いた比較可能な日米研究では、日本の病院で提供される医療の質には大きな「ばらつき」が存在することが示された(注1)。

日本では皆保険制度によってどの病院にも行けるが、実は米国と比較して、どの病院を選ぶかで、患者の運命が大きく左右される可能性が高いことを示唆している。

同じ病気に対する治療方法や手術の術式の違い、入院日数や医療の質が、米国に比べ日本では病院間で大きく異なっている。

具体的には、「術後死亡率」「術後合併症」「救命の失敗」などにおいて、米国よりもばらつきが大きいことがわかった。