広がるロボット手術。体内の映像をモニターで見ながら操作する

2012年、前立腺がんの手術で健康保険が適用されたロボット手術。その後16年に胃がんの部分切除が加わると、18年には胃がん、肺がん、直腸がん、子宮体がんなど12の疾患が追加された。米社が開発した「ダヴィンチ」がほぼ市場を独占する。

さらに今年4月には膵頭(すいとう)十二指腸切除術をはじめとする7項目の手術で、健康保険によるロボット手術が可能となった。

ロボット手術は「腹腔(ふくくう)鏡手術と同じ流れの先にある手術」といえる。腹腔鏡手術とは、皮膚に小さな穴を3~5カ所開け、細い棒状のカメラや電気メス、鉗子(かんし)などを挿入し、カメラが映し出す体内の映像をモニターで見ながら操作する術式だ。

手術創が小さいので、従来の開腹手術や開胸手術と比べて術後の回復は早く、手術に伴う痛みの小ささや入院期間の短縮など、低侵襲手術の中心的存在として導入が進んできた。小さな手術創にカメラや器具を挿入して行う手術という点は、ロボット手術も同じだ。しかし、腹腔鏡手術ではメスや鉗子を外科医が直接持って操作するが、ロボット手術ではそれはない。

手術台の上に設置された手術支援用ロボット「ダヴィンチ」から延びる4本のアーム。1本は内視鏡(カメラ)で、残る3本の先端には鉗子や電気メスなどが装着されている。これで切除、剥離、縫合などの処置をするのだ。

繊細な作業に強み