週刊東洋経済 2020年8/29号
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一般入試のみならず、難関大学の推薦・AO入試でも実績を残している高校に共通するのは、自ら課題を設定し、答えを見いだす「探究力」を育てる教育を徹底している点だ。実績で先行する高校の取り組みに迫った。

千葉|渋谷教育学園幕張
自調自考で生徒を伸ばす

創立37年とまだ若い学校ながら、全国屈指の進学校に成長したのが千葉市にある渋谷教育学園幕張中学校・高等学校だ。2020年の東京大学合格者数は74人と全国5位。東大推薦入試でも累計3人合格している。学力の伸びを支えるのは、教育目標に掲げる「自調自考」の精神だ。田村聡明副校長は「勉強は自らやる気を出して続けないと伸びない。先輩が全力で立ち向かう姿を見て後輩も続く。そんな学校文化が成長のエネルギー」と話す。

幕張新都心に校舎を構える。左の冊子は6年間の授業計画を記したシラバス。右は2年かけて仕上げる論文集

学外活動でも、自調自考の精神は発揮される。活躍が際立つのが模擬国連だ。これは生徒が各国の大使になりきり、与えられた課題に対し議論や交渉をして決議を採択する活動だ。07年から始まった全日本高校模擬国連大会に初回から参加。米ニューヨークの国連本部で行われる高校模擬国連国際大会へは、日本代表団として8回派遣、4度優秀賞、14年には日本人初となる最優秀賞を受賞した。

国際部の豊島幹雄教諭は「模擬国連は本校の教育に合っていた。国際情勢に関心を持ち、リサーチを行い、他国の代表とディスカッションをする。そういう学びの先駆け的な存在だった」と振り返る。

当初は有志の集まりだったが、今では部に昇格。中高合わせて60人ほどの生徒が活動している。

国際大会で、ネイティブスピーカーの高校生と議論を交わすには、そうとう高い語学力が必要だ。豊島教諭は英語教育について「大学受験のその先を目指している」と話す。文部科学省の検定教科書は高2で終え、その後は英文記事、小説、著名人のスピーチなどを使って生の英語に触れる。英語表現はネイティブの教員が担当し、日本語を英語に訳すのではなく、英語として文章を組み立てて書けるように訓練する。卒業生は「高校の授業が大学でアカデミックな論文を書くうえで役立った」と話しているという。海外大学へ進学する生徒も年々増え、今年の合格者は米国のペンシルベニア大学やシカゴ大学など27人に上る。