週刊東洋経済 2020年8/29号
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変わる高校と大学受験

高校が大きく変わろうとしている。

最たるものは、2022年から始まる新学習指導要領だ。学力の3要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力、人間性」)を育てるために「主体的・対話的で深い学び」を実践していくというのが大きな柱だが、改訂のキーワードは「探究力」と「論理力」だ。

国語は現代文が新たに「文学国語」と「論理国語」に変わることになり、外国語も英語表現から「論理・表現」という科目に変更されている。また、地理歴史は日本史と世界史が再編され、「日本史探究」と「世界史探究」という教科が生まれる。さらに理数という教科が誕生し、「理数探究基礎」と「理数探究」という科目が加わる。00年から始まった「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」に変わる。

このように高校教育では文字どおり「探究」や「論理」をより学ぶことになる。 

自ら考え表現する力問う

こうした学習指導要領の改訂は高大接続、つまり大学の入試改革にもリンクしている。大学入試センター試験が今年で廃止となり、21年から大学入学共通テストが始まる。入試の名称も一般入試は一般選抜に、AO(アドミッションオフィス)入試は総合型選抜、推薦入試は学校推薦型選抜にそれぞれ名称が変更になる。名称が変わるだけでなく、入試の小論文やプレゼンテーションの場などで、これまで以上に「学力の3要素」である自ら考え、表現する力が問われることになる。

また試験問題は高校で習う範囲から出されるので、学習指導要領が変われば大学の入試問題も変わる。それは探究力や論理力を試す問題が増えるということを意味する。25年の1月に実施される大学入学共通テストから新学習指導要領に対応した試験になるが、これまでの知識詰め込み型の受験対策だけでは通用しないだろう。その結果、大学の合格実績は探究学習などを早くから取り入れている高校が頭角を現し、勢力図も変わっていくと考えられる。