7月末、クレムリン(ロシア大統領府)筋から入手した対日戦略に関する文書についての解説を続ける。この文書では、ラブロフ外相の7月10日の発言を重視している。

〈「平和条約は安全保障問題もカバーする必要があります。なぜなら日本は、ロシアを事実上の敵国と宣言している米国と緊密な軍事同盟を結んでいるからです。もちろん包括的平和条約は、外交政策、交流についてのわれわれの考え方も含む必要があります。簡単に言えば、異議を唱える問題には異議を唱え、そのほか人道的問題、文化関係など多くの要因があります。われわれはこのような条約のコンセプトをすでに提示していますが、今のところ日本側はこれに応じていません」〉

日米安全保障条約上、米軍は日本が実効支配するすべての領域に展開できることになる。1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約が締結され歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島が日本に引き渡された後、これら諸島に米軍が展開しないことの明示的保証をもロシアは求めている。さらに、ロシアを射程に収める米国の中距離弾道ミサイルが日本に配備される可能性についても、ロシアは強く懸念している。平和条約では安全保障問題も争点になる。

ラブロフ氏は、日本に「第2次世界大戦の結果を認めろ」と、ここでも繰り返している。