東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長(右)と武藤敏郎事務総長(代表撮影/ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスの世界的大流行がなければ、今頃は「長雨・猛暑の2020東京五輪」の閉幕後、政治では、2021年9月の安倍晋三首相の自民党総裁任期と10月の衆議院議員任期の満了を控え、解散・総選挙、安倍政権の総仕上げ、後継総裁レース、あるいは安倍4選、もしかすると任期満了前の安倍退陣問題に関心が集まっていたと思われる。

だが、コロナ襲来で情勢は一変した。五輪は今年3月24日、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と安倍氏の電話会談で1年延期が決まる。開幕は21年7月23日となった。

解散・総選挙は今年7月以降のコロナ感染再拡大で、今も見通しがつかない。首相は「解散は頭の片隅にもない」「国民の信を問うべきときは躊躇せずに断行」と言い続けるが、やるのかやらないのか、やるとすればいつかは霧の中だ。フリーハンドを確保して入念に検討中という見方もあるが、コロナ危機の行方が見えず、判断不能に陥っている面もある。

菅義偉官房長官は6月21日のインタビューでは、「解散権は総理の専権事項。私が触れるべきではない」と発言したが、7月31日放映のTBSのCS番組で、解散問題に言及して、「国民の声は『コロナ対策に専念を』」と、今秋の解散に否定的な見解を示した。

安倍氏にすれば、今年前半の支持率低落も大きな誤算だろう。共同通信調査の内閣支持率では、コロナ危機が深刻化する前の3月中旬は49.7%だったのに、7月は38.8%に下落した。