三菱自動車は輸出向けに製造を続けてきた大型SUV「パジェロ」の生産を終了する
週刊東洋経済 2020年8/22号
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「メガマーケットでの拡大戦略に無理があった。当社の規模では全方位の戦略を採り続けるのは現実的ではない」。三菱自動車の加藤隆雄CEO(最高経営責任者)は7月下旬の電話会見で、主要市場での販売拡大を狙った戦略の失敗を率直に認めた。

同社が公表した2020年度の業績見通しでは、売上高は1兆4800億円(前期比35%減)、減損損失の計上などで最終損益は3600億円の赤字(前期は258億円の赤字)を見込む。

併せて発表した中期経営計画には、一部の国内工場閉鎖や欧州への新型車投入の凍結といったリストラ策を盛り込んだ。今後は主力の東南アジアへ経営資源を集中投下して、業績回復への道筋をつける構えだ。

三菱自の拡大路線は、16年の燃費不正問題による業績不振を受け、日産自動車の傘下に入ったことに始まる。仏ルノーを含む3社の会長を兼務したカルロス・ゴーン氏の下、米国や欧州、中国といった巨大市場での販売拡大戦略に打って出た。

その結果、16年度に92万台だった販売台数は、18年度に124万台まで増加。ただ、販売の伸びに利益がついてこなかった。開発費が47%増えるなど、固定費が当初の想定以上に膨らんで収益を圧迫。営業利益率は4%台にとどまった。18年後半から世界の自動車需要に陰りが見え始め、三菱自の販売拡大にもブレーキがかかると、収益悪化に拍車がかかった。