「今回の不祥事で信頼を大きく損ねてしまったことに弁明の余地はない。再び挑戦の機会を与えてもらった以上は尽力したい」

エルピクセルの島原佑基CEO(33)はこう語った。エルピクセルは医療、製薬、農業など生命科学領域の画像解析を研究開発する東京大学発のベンチャー。2014年の創業直後、学術論文の画像加工などを検出するソフトウェアを開発。英『ネイチャー』誌に掲載された、STAP細胞の論文に使われた画像に不自然な箇所があったと指摘し、注目を集めた。昨年10月には脳の画像をAIで解析し、脳動脈瘤の疑いがある部分を検出するソフトを国内で発売。順調に成長していた。

島原氏は東大大学院修了後、グリーなどを経て創業(撮影:尾形文繁)

だが昨年12月に状況が一変した。経理担当の元取締役による横領が発覚したのだ。被害総額は約33億円に上り、FX取引に充てていたとされる。元取締役は今年6月に逮捕された。エルピクセルは、オリンパスや富士フイルムなどから18年10月までに累計約37億円を調達していたが、その大半が消えた。