コロナ禍は中国社会の変容を進めつつある。写真は山東省日照市の小学校で体温検査を受ける児童(アフロ)

米トランプ政権による対中波状制裁や香港・台湾問題、南シナ海での係争、オーストラリアとの摩擦──。日本での中国報道を見ていると、中国が今、いわゆる「戦狼外交」──この言葉自体に大いに疑問があるが──の話題一色に染まっているようである。しかし現実はそうではない。

最近では、火星探査機の打ち上げ成功を大々的に祝っていたり、中国版GPSである「北斗3号」の完成式典に習近平国家主席が参加していたり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)第5回理事会の年次総会のビデオ会議が行われていたりとイベントが目白押しだった。

ちなみにAIIBは融資実績こそまだまだだが、参加国はいつのまにか103カ国と、設立時の57カ国から飛躍的に増えた。「北斗3号」はすでに120カ国が利用している。

7月30日には、今年10月に中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開催されることも党中央政治局会議で決まった。テーマは2021年から始まる「第14次5カ年計画」のあり方と、今年下半期以降に国民経済をどう立て直すかだ。

新型コロナウイルス感染拡大のダメージからいち早く立ち直りたい中国にとって、対米関係の悪化、とりわけ大統領選挙で劣勢となったトランプ政権の執拗な攻勢は痛い。だが、それらとは無関係にウィズコロナの変化は進んでいる。