米倉社長は「単純にスカパーチャンネルを見て、『こういうことやっています』というのでは限界がある」と語る(撮影:尾形文繁)
衛星放送のスカパー!を運営するメディア事業と、衛星の運用・管理などを行う宇宙事業を展開するスカパーJSATホールディングス。同社は宇宙事業が安定した収益を生み出し宇宙ゴミの除去や衛星を活用した石油の需要予測など新サービスに積極的な一方、衛星放送はネットの動画配信の台頭に伴い、会員数は減少傾向にある。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、衛星利用の減少、会員数減少と両事業とも影響を受けた。新サービスに積極的な宇宙事業の狙いはどこにあるのか。動画配信にどう対抗するのか。米倉英一社長に直撃した。

動画配信との競争

──スカパーJSATの宇宙事業では、衛星から航空機に提供するWi-Fi需要が減退するなど新型コロナの影響を受けています。

数字だけ言うと、今期に関しては純利益80億円(前期比33.5%減)という見通しを出した。ただ、この数字はかなり保守的にみている。緊急事態宣言が終わり、徐々に動く人も出てきている。

確かに飛行機向けのWi-Fiは飛行機の本数が飛んでおらず、いったんは減っているが、徐々に戻ってきつつある。宇宙事業に関しては、2020年もこのまま凹み続けることはないだろう。(この1年半で3機新しい衛星を打ち上げた)新しい衛星をベースにした収益増も見込まれており、再び回復していく。

──衛星放送のスカパー!に目を向けると、巣ごもり需要が見られず会員数が減り続けています。

メディア事業は巣ごもり需要を期待していたが、やはり動画配信などとの競争があった。もちろん、テレビそのものはなくならない。われわれも動画配信はスカパー!オンデマンドをやっていて、例えば、(ドイツサッカーの)ブンデスリーガやプロ野球、都度課金は伸びている。新型コロナでスポーツや音楽イベントなど簡単には4万、5万人を集めるイベントは開催できない。そういうところで、われわれの視聴量も増やしていきたい。

6月末のスカパー!加入件数は純増だった。とはいえ、長期的に100万、200万と(会員数が)増えるかというとそういうものではない。いま10年、20年と加入しているお客さまにずっと入り続けてもらうのが重要だ。

──会員数減少に歯止めをかけるために必要なことは何ですか。