写真は2015年、アフガニスタンのカブールの工事現場で働く子どもたち。コロナ危機で教育の機会を奪われた子どもたちは児童労働を余儀なくなる可能性がある(写真:REUTERS/Mohammad Ismail)

偉大なブルースギタリストとして知られるB.B.キングは、かつてこう述べた。「学びの美しさは、誰にも奪われないことである」。貧困の中で生まれ育ったキングは、変化を遂げる力としての教育の価値を理解していた。もし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行に対応する政治指導者たちが、彼の洞察力を少しでも持っていたならば、どれだけよかっただろう。

COVID-19は現在、世界的な教育の緊急事態へと変化している。何百万人もの子どもたち、特に最貧層や幼い少女たちが、自らの人生を変える可能性のある学習の機会を奪われる瀬戸際にある。

教育は、将来の繁栄、雇用の創出、健康の改善と密接に結びついているため、このような規模での頓挫は、各国の成長を損ない、すでに極度に達している不平等をなお一層悪化させるだろう。しかし、この緊急事態はいまだパンデミック対応の俎上には上っていない。

教育に前例のない後退をもたらす可能性

ロックダウンにより、10億人以上の子どもたちが学校に通えなくなっている推定5億人の子どもたちが、教育を全く受けられていない状況だ。インドのセーブ・ザ・チルドレンの調査によると、3分の2の子どもたちがロックダウン中にすべての教育活動を停止していることがわかった。今、危険なのは、学校教育の喪失、子どもの貧困の増加、そして大幅な予算削減による最悪の事態が、教育に前例のない後退をもたらすことだ。

これは、既存の危機の上に重なる緊急事態である。パンデミックの前にも、2億5800万人の子どもたちが登校不能で、普遍的な教育に向けた進展は停滞していた。今では、子どもの貧困の増加だけが原因で、1000万人の子どもたちが学校に戻れなくなる可能性がある。こうした子どもたちの多くは、児童労働や早期結婚(思春期の女児の場合)を余儀なくされる危険性がある。一方で、開発途上国の子どもたちの半数が小学校の終わりまでに簡単な文章を読むことができないという、パンデミック前にすでに酷かった学習レベルは、悪化の一途をたどることになるだろう。

教育予算は削減

パキスタンのカシミール地方で発生した2005年の地震の影響に関する画期的な研究が、学習へのリスクを捉えている。学校は3カ月間閉鎖された。学校が再開されると、出席率はすぐに回復した。しかし4年後には、断層に最も近い場所に住む3歳から15歳までの子どもたちは、1年半分の学習時間を失っていた。