2002年に東京証券取引所に上場して以来初めての最終赤字に陥った

「旅行市場は、本当に大きな打撃を受けている」

旅行会社大手、エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長兼社長は6月の決算説明会でこう語った。

同社が発表した2020年10月期上期(19年11月〜20年4月期)決算によると、売上高は3443億円(前年同期比8.9%減)、営業損益は14億円の赤字(前年同期実績は89億円の黒字)となった。固定資産やのれんの減損損失などで、当期純利益も34億円の赤字(同49億円の黒字)に膨らんだ。同社が上期決算で営業赤字を計上するのは、02年、東京証券取引所に上場して以来、初めてのことだ。

最も大きな影響を受けたのは、売上高の8割超を占める主力の旅行事業だ。コロナ禍が襲いかかり、3月の旅行総取扱高は前年同月比で20%台に急減。続く4月、5月は同1%台にまで落ち込んだ。

国連世界観光機関によると、20年の国際観光客は前年比で60〜80%減少するとみられており、HISの旅行事業の過半を占める海外旅行を直撃。20年10月期の通期でも赤字転落は避けられない見込みだ。