有料会員限定

「コクヨ vs. プラス」の全真相 文具業界を揺るがす動乱

✎ 1 ✎ 2
拡大
縮小

昨年末に起きたぺんてる株をめぐるプロキシーファイト。背景には業界再編の主導権争いがある。

本誌:野中大樹
文具女子博2019。法人需要は縮小し、個々人の嗜好に沿った個人需要へと文具市場はシフトしている

この2年間、文房具業界が固唾をのんで見てきた1つの試みが、8月1日、ついに動き出した。

その名は「コーラス株式会社」。業界2位のプラスが100%出資して立ち上げ、そこへ日本ノート、セーラー万年筆、オキナが加わる。

事業イメージはこうだ。1つの卸問屋に現在は4つのメーカーがおのおの営業をし、取引している。コーラスが稼働すると、各メーカーの営業部はコーラスへ出向、1つの卸問屋に営業するのはコーラスから1人に絞る。卸問屋に費やすコストを最小限に抑えるのだ。

コーラスの今泉壮平社長(プラス取締役)は「営業の重複を排することで生まれるリソースを新製品開発や新ビジネス創出に振り向けることができれば、メーカーがより強くなれる」と狙いを語る。

本格稼働は来年1月。4社の営業部を徐々に統合し、取引口座も一本化する。

特集「「コクヨvs.プラス」の全真相」の他の記事を読む

反発と執念

このコーラス、実は2年前に頓挫した計画であることが本誌取材で明らかになった。ここに絡むのが、昨年末、プラスとコクヨがプロキシーファイトで角突き合わせた筆記具メーカー、ぺんてるである。ぺんてる争奪戦には、壮絶な「前哨戦」があったわけだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内