はたけやま・けんすけ 1985年宮城県気仙沼市生まれ。仙台育英学園高等学校で全国高校ラグビーフットボール大会に3年連続出場。早稲田大学では4年連続で大学選手権に出場し、3度の大学日本一を経験。2008年サントリーサンゴリアスに入団。18〜19年度日本ラグビーフットボール選手会会長。20年から米MLRのニューイングランド・フリージャックスに所属。
日本中が熱狂したラグビーワールドカップ(W杯)の日本大会から間もなく1年。かつてラグビー日本代表、不動のプロップ(スクラムの中心となるポジション)として活躍した男は、今年から米ボストンで新たな挑戦を始めている。日本ラグビーのプロ化への考え、自身のキャリアなどについて現地で語ってもらった。

──米メジャーリーグ・ラグビー(MLR)は今季3年目の新しいリーグです。ここに飛び込んだ理由は?

長年所属したサントリーサンゴリアスから、2018年のシーズン半ばに来季は契約しないと言われ、その後複数のチームからオファーがあった。そのうちの1つがフリージャックス。引退も一瞬頭をよぎったが、日本のラグビー界が「プロ化」を模索する中で、プロリーグを先に始めたMLRから学びたいと考えて渡米を決めた。家族からの後押しも大きかった。

──新型コロナウイルスの影響で、2月の開幕からわずか1カ月半でシーズン中断となりました。

20年は短いシーズンでしたが、ここに来てよかった。MLRは各国の有名代表選手が数多く参加しているほか、イングランドから優秀なコーチを招くなど、世界のラグビー関係者が注目する新たな市場。学ぶことがたくさんあります。

(提供:ニューイングランド・フリージャックス)

自前での興行形態に

──親会社への依存度が高い企業チームの経営を独立採算に変えていく「プロ化」は、まさに日本ラグビーフットボール協会が取り組もうとしているテーマです。19年6月に協会の人事が刷新され、翌月に清宮克幸副会長(53)がジャパンラグビートップリーグのプロ化構想を打ち出しました。

現在のクラブは大企業による実業団として、福利厚生や非収益事業の一環と位置づけられているところが多い。しかし、各クラブが自前で事業機能を持って興行する形にすれば、入場料や放映料などの収入を継続的に生み出せる可能性がある。自治体も含めた地域のスポンサーを複数集めれば、ファンのすそ野も広げられます。

親会社からの金銭支援がなくなり、経営の赤字は許されなくなる一方、チームの収入に見合った人件費の適正化が進むはずです。すでにプロとほぼ同形態の有期雇用契約をしている選手は、報酬が減るケースがあるかもしれない。企業に勤めながらプレーするアマチュア選手にとっては、引退後も引き続き社員として雇ってもらえるセカンドキャリアの安心は消えるかもしれない。

しかし、プロ化によって、真っ正面からラグビーに向き合う選手が増える。これこそが大きなメリットです。