有料会員限定

「日本企業も脱炭素に本腰、電力に投資呼び込む必要」 脱炭素キーパーソンに聞く5|日本経済団体連合会会長 中西宏明

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
拡大
縮小
なかにし・ひろあき 1946年生まれ。70年東京大学工学部卒業後、日立製作所入社。常務、専務を経て2005年日立グローバルストレージテクノロジーズ会長兼CEO、10年日立製作所社長、14年会長。18年5月から経団連会長。(撮影:梅谷秀司)

特集「脱炭素 待ったなし」の他の記事を読む

日本経団連は6月、脱炭素化実現に向けた新プロジェクト「チャレンジ・ゼロ」(チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション)の取り組みを開始した。経団連の呼びかけには130を超える企業や団体が賛同し、脱炭素化に向けた技術革新に挑戦する。

──チャレンジ・ゼロは、どのような問題意識に基づいて打ち出したのでしょうか。

日本経団連はかねて日本のエネルギーシステムについて問題提起をしてきたが、そのことに加えて、気候変動問題の深刻化がきっかけになった。

昨年、米国や豪州など世界中で山火事が相次ぎ、欧州では熱波で40度を超えた日もあった。世界中で気候変動に対する危機感が今までになく高まっている。

しかし、日本には難しい事情がある。「石炭の利用をやめるべきだ」と言われても、いきなりそれをやったら電力の供給が止まってしまう。脱炭素化を進めるには、トランジション(移行)というコンセプトをしっかりと明示する必要がある。そのカギとなるのが、従来の技術の延長線ではないイノベーションの実現だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
脱炭素 待ったなし
脱炭素キーパーソンに聞く1|IHSマークイット副会長 ダニエル・ヤーギン
グリーンリカバリーに向け世界が動く
不況対策に内燃機関車への補助金はない
再エネ大量導入や森林破壊ゼロへ動き出す
脱炭素キーパーソンに聞く2|丸紅 電力・インフラグループCEO 横田善明
CO2大量排出産業の宿命
再エネ店舗は普及するか
脱炭素 待ったなし
出遅れ日本でもエネルギーシフトが本格化
日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員 小山 堅
コロナ禍と原油価格急落で経済が苦境に
独仏はEV購入に100万円以上補助
「非効率石炭」退場の衝撃
Part2 脱炭素化への奮闘|重い腰を上げた日本政府
Part3 前進する再エネ|ついに日本も導入目標を策定
脱炭素の切り札となりうるか
脱炭素キーパーソンに聞く3|国際大学大学院教授 橘川武郎
強靱で環境性に優れたエネルギー
脱炭素キーパーソンに聞く4|東京電力リニューアブルパワー社長 文挾誠一
脱炭素キーパーソンに聞く5|日本経済団体連合会会長 中西宏明
石油・ガス企業の瀬戸際
Part1 石油の終焉|世界で相次ぐ巨額損失と破綻
インタビュー/MHIヴェスタス アジア太平洋地域リージョナルマネジャー 山田正人
欧州が野心的な水素戦略に着手した
「CO2削減の目標を出すべく議論している」
日本製鉄・鈴木英夫常務に聞く
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内