きっかわ・たけお 1951年生まれ。東京大学教授、一橋大学教授、東京理科大学教授を経て4月から現職。経済産業省・総合資源エネルギー調査会委員。(撮影:尾形文繁)

脱炭素化への潮流が強まる一方、日本のエネルギー政策の混迷が一段と深まっている。改革をどう進めるべきか、国内外のエネルギー事情に詳しい橘川武郎・国際大学大学院教授に聞いた。

──経済産業省が7月1日に開催した審議会では、今後のエネルギー政策のあり方について約10カ月ぶりに議論が行われました。

私はメンバーとして参加したが、原子力について、経産省の「やる気の乏しさ」が目立った。原子炉のリプレース(建て替え)は検討課題に挙げておらず、2030年度の原子力の電源構成目標をどう達成するかについても具体性がない。21年夏までに現行のエネルギー基本計画の見直しに着手するというスケジュールが示されたが、法律で定められたぎりぎりのタイミングまで引っ張っている。経産省は本音では議論を始めたくないのではないか。

50年目標の具体的議論を