米テスラはEVのトップブランドに成長。イーロン・マスクCEOの言動にも注目が集まる(アフロ)

自動車産業は脱炭素で電気自動車(EV)が主流となるか。

株式市場はそれを先取りする動きを見せている。米国のEVメーカーであるテスラの時価総額がトヨタ自動車を上回り、自動車メーカーでは世界トップに躍り出た。7月15日現在の時価総額は2865億ドル(約30兆6300億円)で、年初と比べて3倍以上に成長した。

テスラは2018年ごろには新型車「モデル3」の量産立ち上げが難航し、一時は資金繰りも不安視された。しかし、量産が軌道に乗ってから収益が黒字化。新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界の新車需要が壊滅的な状況となった20年4~6月期も、テスラの新車販売は前年同期比5%減と影響は限定的だった。

テスラの19年の販売実績は約37万台で、トヨタの29分の1程度にすぎない。実力以上の急激な株価上昇に「バブルだ」との指摘もあるが、自動車産業が「CASE」と呼ばれる大変革期を迎える中で、EV専業メーカーと従来型メーカーへの成長期待の差が歴史的な逆転の背景にあることは確かだ。

EV販売比率は3%未満

とはいえEVは現時点で、世界の自動車販売の主流になっているとはいえない。世界の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、自動車を含む運輸部門は4分の1程度を占める(国際エネルギー機関調べ)。脱炭素化に向けEV普及の重要性が認識されているにもかかわらず、だ。ブルームバーグNEFの予測によると、今後しばらくはハイブリッド車(HV)を含むエンジン車とEVが共存し、徐々にEVへシフトしていくシナリオが濃厚だ。