サウジアラビアのムハンマド皇太子は未成年者の死刑廃止などを打ち出し国民の不満を抑えようとしている(代表撮影:ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスは中東諸国でも猛威を振るっている。7月15日時点の中東諸国の感染者は約120万人で、世界の9%程度(米ジョンズ・ホプキンス大学調べ)に達する。中東の人口が世界人口に占める比率は約7%なので、中東はほかの地域に比べ感染者の比率が高いことになる。

中東で感染者数が最も多い国はイランで26.4万人。以下、サウジアラビアの24.0万人、トルコの21.5万人と続く。いずれも20万人超だ。ただし、ここ数週間の1日当たり感染者数が多いのは、サウジ(4000人前後)、イラン(約2500人)、イラク(2000人強)といった中東産油国である。感染者総数で3番目のトルコの1日当たり感染者数は1000~1300人と、これら3カ国より少ない。

新型コロナウイルスによる死者が中東で初めて発表された国はイランで、2月19日のことだった。米国の経済制裁を受けているイランは、政治・経済面で中国との関係が強く、イランと中国の間で商人の往来が活発に行われている。

そのイランからサウジなど湾岸アラブ産油国へ感染が広がった。サウジ東部やバーレーン、イラクには少数派ながらイランと同じイスラム教シーア派教徒がいる。彼らがイランの聖都コムを訪れて罹患(りかん)し帰国したことが発端となった。

緊縮政策相次ぐ産油国