日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

「身体機能や判断能力が低下した際に、病院同行や買い物支援を誰に頼んだらよいか。また、入院時に求められる身元保証や、死亡後の葬儀や家財処分を誰に託せるか」。これは、身寄りのない単身高齢者にとって、切実な悩みであると聞く。とくにコロナ禍では、身寄りのない高齢者の多くが、感染した場合の対応などを懸念しているのではないか。

家族と同居する高齢者であれば、生活支援、身元保証、死後の事務をさほど心配する必要はなかった。多くの場合、家族が対応すると考えられてきたためだ。しかし、身寄りのない高齢者は、対応してくれる家族がいない。頼れる友人・知人がいればよいが、孤立している高齢者も少なくない。

今後も未婚化の進展に伴って、身寄りのない高齢者は増えていきそうだ。未婚の高齢者は、配偶者だけでなく子供もいないと想定されるためである。例えば、65歳以上の男性の未婚率は、2015年は6%であったが、30年には11%に倍増すると推計されている。