大阪大学の森下竜一寄附講座教授は「オールジャパンでDNAワクチンの開発を進めている」と語る(編集部撮影)
いったん収束に向かったと思われた新型コロナウイルスは、7月に入って東京都の新規感染者が連日200人を超えるなど、予断を許さない状況が続いている。新型コロナに関連する創薬についてもさまざまな知見が現れ、一般には何が正しいのか見極めが難しい状況になっている。
そんな中で各国が競うのがワクチン開発だ。アメリカでは2021年までに3億回分のワクチン確保を目指す「ワープ・スピード作戦」が進行中。ヨーロッパや中国でも複数のワクチン候補でヒトに対する治験が始まっている。
そのワクチン開発に国内で最初に名乗りを上げ、6月末からヒトに対する治験を始めたのが創薬ベンチャーのアンジェスだ。同社創業者である大阪大学大学院医学系研究科の森下竜一寄附講座教授に日本の課題などについて聞いた。

DNAワクチンは製造期間を短縮できる

──6月30日に新型コロナの予防ワクチン治験が開始されました。3月5日の開発着手発表からすごいスピードですね。

こういった新興感染症の推移は非常に速く、ワクチン開発などは感染症の収束に追いつかないことも多い。新型コロナは当初、軽いインフルエンザのようなものと考えられており、私自身もそう思っていたために(開発の)着手が少し遅れてしまった。

しかし、われわれが開発しているDNAワクチンは、ウイルスの遺伝子情報さえあれば開発できる。通常のワクチンがウイルスの性質や弱毒化の方法などを検討しなければならないのに比べて、非常にスピーディに開発できる。厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)、文部科学省といった関係機関が迅速に動いてくれたことも大きい。

開発スケジュールとしては、まず30人の健常者への投与を始めている。いいデータが出たら、10月ごろをメドに次の段階に進みたい。500人(規模)の大規模試験を想定している。

──DNAワクチンは、通常のワクチンと何が違うのでしょうか。