経済ジャーナリスト 荻原博子(おぎわら・ひろこ)1954年生まれ。経済事務所勤務を経て独立、経済ジャーナリストとしてテレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍中。『「郵便局」が破綻する』(朝日新書)や『保険ぎらい「人生最大の資産リスク」対策』(PHP新書)など著書多数。

不適切な保険販売が表面化したかんぽ生命、顧客からの苦情が相次いだ外貨建て保険、そしてコロナ禍。私たちは今、保険に対してどのような視点を持っておくべきなのか。経済の仕組みを生活に根差して解説することに定評がある、経済ジャーナリストの荻原博子氏に聞いた。

──かんぽ生命は今、顧客の契約状況を調査し損なわれた利益の回復まで図っています。晴れて営業再開となったときには、もう問題がないと思っていいのでしょうか。

大丈夫とはいえません。かんぽ生命で起きた不正販売問題は、そもそも郵便局の経営が難しくなっていることに原因がありました。その原因は解消されていません。

郵便局は全国一律のユニバーサルサービスを義務づけられています。どのような地域であっても、必要なコストに関係なくはがき1枚を63円で届けなくてはいけない。完全なる赤字体質です。

でもユニバーサルサービスが義務づけられているため、郵便局の数を減らすことすらできない。そのために局員を2割減らしました。業務量は変わらずに人員だけ削減され、売り上げは上げろ、ノルマは達成しろというのは完全にブラック企業のやり方です。郵便で稼げない分を補おうとした結果、むちゃな保険販売につながったのです。

おそらく日本郵政グループは、今の経営状態を続けることが不可能となります。国有企業へと戻る、あるいは、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の株の大半を売りに出すなどの選択肢が考えられます。

──かんぽ生命の商品についてはどう評価されていますか。